季節にもはんなりなじむ京都の看板風景

17もの世界遺産がある古都・京都は、今や国内だけでなく世界中から多くの観光客が訪れる人気の観光都市です。京都にはさまざまな風情あふれる美しい町並みが数多く残っており、古き都の情緒を感じることができます。春の桜や秋の紅葉、葵祭・祇園祭・時代祭などの伝統的な祭、凛とした雪景色など、四季折々それぞれ違った趣きを愉しむことができます。京都の町を歩いていると、京都が他の地域とは違うところに気付きます。看板が景色の中に溶けこんでいるように感じられるのです。京都の看板は落ち着きがあり、上品です。まさに「はんなり」と景観に馴染んでいます。世界中の人を魅了する京都の美しさは、景観保全に取り組む京都の人々の努力によって守られており、それは看板の色まで配慮するといったきめ細やかなものです。

古い町並みに調和するように配慮された京の看板

京都市では市内全域を21種類の規制区域に分けて、看板の高さや大きさ、色などを規制しています。そのため、コンビニやファーストフード店の看板は白地が基調とされていたり、文字の色も紺や黒、えび茶といった控えめな色に抑えられています。マクドナルドは赤と黄の目立つ看板が特徴ですが、金閣寺近くの西大路通にある「マクドナルド金閣寺店」は黒や茶を基調とした壁に白文字の看板です。「M」のマークは黄色ですが、とても控えめな色です。とても上品で落ち着いた印象を受けます。八坂神社の前にあるローソンも、白地に黒の字で書かれてシンプルな看板です。和紙をイメージして作られているようで、和風なテイストです。一見ローソンだとはわからないようなシックなデザインで、祇園の町並みによく調和しています。

歴史的価値を感じさせる看板たち

京都には町の景観に調和した看板だけでなく、古くからあって歴史的な趣きの感じられるものもたくさんあります。京の奥座敷として知られる貴船は鞍馬と合わせて夏の納涼、秋の紅葉が観光客に人気が高いところです。貴船神社へと至るまでの通りには川床を楽しめるお店が並んでいますが、歴史の重みが感じられる木で作られた看板が目に留まります。京都にはこのような歴史的な古い看板が多くみられますが、これらは町並みに調和するだけでなく、町並みそのものの趣深さを助長しているようです。京都は世界遺産や重要文化財に指定されている美しい建物や庭園などが多くあり、一年を通して堪能することができますが、観光の合間に立ち寄る美しく品格のある町並み、細部まで心が配られた店の造りや看板もまた風情があって一興です。